「çà et là(サ・エ・ラ)…」
つかのま、さわやかな日が続いています。 やがて来る猛暑を思えばなんと貴重なひとときか…。 街路樹や生垣でもあちこちの木々に若葉が茂り…。 マンションの玄関のプランターのツタも、一昨年くらいに植えたのだけどようやく根付いたようで、美しい新芽がたわわに。 きれいだなー、と近くで見ていたら、知らない虫が付いていた。 7ミリくらい、白っぽくてフシがあり、イモムシというよりはダンゴムシみたいな丸くて細長い幼虫…。 lineで友人に「これは何だろう?」と聞いて見たら、立ちどころに「画像検索によると、クロヒラタアブかも」とのコト。 えー、アブはやだなあ…。 でももしかしたら…と調べると、「アブラムシを食べる」と出ている。 益虫だった! たしかにさっき見たツタの若芽にはアブラムシがいっぱい居た。 だからもしかしたら…と。 果たして、やっぱりアブラムシを食べる益虫で、しかも成虫になったアブは人は刺さないと。 ウェルカム!だったわけ。 よかったよかった。 「ウチのジューンベリーにもアブラムシがたくさん付いて、 でもテントウムシが来てぜーんぶ食べてくれました!」 「そうそう、うちの屋上にも前にテントウムシの幼虫が来てくれたかと 思ったらあっという間にアブラムシは居なくなり、台風の後にすっかり 去って行ったっけな」 「えー、そんなシェーンみたいなカッコいい虫軍団が居るんですか?」 「居るんだよ…」 こんな都会に、しかも舗道のこんなちっぽけなプランターの若芽をよく見つけてくれたものだ。 自然のプログラムには毎度驚かされる…。 困る虫もいるけど、役立つ虫も居る… あくまで人間の都合だけど。苦笑。 屋上にはアゲハのために昨年植えたハッサクが花を咲かせ、その香りの素晴らしいコト! 少し前にはヒメリンゴが一斉に咲き、甘い香りを漂わせていた…。 もったいないので思い切り嗅ぐ… 嗅いでも嗅いでもまだたくさんある… 吸いきれない…笑。 なんと贅沢なコトか…。 花も香りも最高だった… そして咲き終わればみんな風と共に消えていく… (花びらのゴミは残るが…笑) この惜しみなさ、自然の賜物だ。 いちいち写真は撮らないから五感の記憶を残すだけだ…。 それもまた善し。 そして、キター! アゲハの幼虫1号が! さっそく捕獲する… よく見ると若葉のそこここにちらちらアゲハの黄色い卵がある。 一つ二つ… 数えている間にも小さめのアゲハ蝶がひらひら飛んできた。 多分越冬したサナギが羽化したんだろう…。 アゲハ母さん、きちんと美味しそうな若葉を選んで産卵してるようだ…。 それにしても新緑の緑色の美しさはどうだろう。 どんな絵の具でも敵わない緑色の瑞々しさよ。 子供の頃は緑色はあまり好きじゃなかったなあ。 赤やピンクも好きじゃなかったし、黄色も何となく避けて。 緑色は「おとこ色でもおんな色でもなく、しいて言えば大人色?」だからやはり敬遠… 結局服とかで選ぶ時は「青」を選んでいたっけなー。 今でも紺色は好きですでよく着ていますが。 ようやく緑色の美しさに気づいた… 年のせいかな?笑。 そんな感じで屋上でつかのまの風を味わっていたら、 居た! テントウムシ! アブラムシを食べるためにやっぱりコイツも来てくれたんだねー! 昔アブラムシの幼虫(ゲジゲジみたいな黒くてキモイの)を知らず、せっかくアブラムシを駆除に来てくれたのに殺しちゃったっけな。 (ごめん〜) 忘れずに来てくれた…。 つくづく、こんな都会でも生き物たちは忘れずに確かな食物連鎖のプログラムを順守してくれる… 自然の驚異に感動です。 (アゲハの飼育のために殺虫剤は避けたいので) 今年もまたアゲハ飼育の季節がきました。 本当に、今年も来てくれた… 感謝感激です。 うふふ。
PS. タイトルの「çà et là」…サエラ、とはフランス語で 「そこ、ここ」「あちこち」とか言う意味です。 春がきました、そこ、ここに。 きれいな語感ですね。
夏子